Life-Log

日々の雑記を綴っています。興味のあること・日常気付いたこと、撮影した動画や写真をUPしています。よろしくお願いします。

先輩の残業

残業を減らすことが、働き方改革だと。

そういう風潮は、最近始まったことではない。

 

ただ、

残業を減らす=仕事の満足感につながる

という構図は、少し違うなと感じている人も多いはず。

 

私の先輩は、社内でも「特に残業時間が多い」ことで有名だ。

毎日の仕事ぶりを見ているが、決してサボっているわけでもなく、

むしろ、誰よりもせっせと働いている。

それでも残業時間は減らない。

いわゆる「36協定」ギリギリの状態。

 

毎日の残業時間をチェックされているが、

今のところその残業時間が減る様子はない。

 

ただ、くどいようだけど。

誰よりもせっせと働いている。

そして、本人にもその自負がある。

誰よりも早く出勤して、誰よりも遅く帰る。

「早く帰りたい」という気持ちはあるだろうけど。

しみついてしまった習慣は、そう簡単に変えられるものでもない。

ベテラン社員になればなおさらかもしれない。

 

実は私も、過去の仕事では同じような経験がある。

人の入れ替わりの多い職場で、10年そこそこ働いていると、

もう立派なベテラン。

後輩に仕事を教える立場になっても、

結局自分でやらないと気が済まないということは、多々あった。

会社で決められている残業時間を超えないように、

タイムカードは早めに切ってしまい、そのあとで仕事をする。

昼間はお客様の対応もあるので、社内の業務は業務後しかできない。

だから残業になっても仕方がない。

「自分にしかこの仕事はできない」と、

どこかで自己満足に浸っていたんだと思う。

 

そう。

結局会社のルールを逸脱しないように、プライベートを犠牲にする。

「好きでやっているから」と自分に言い訳をして、

休日に会社に行くこともあった。

もちろん給料は出ない。

 

それでも、自分がしている仕事が会社の役に立っているという満足感はあったと思う。

周りからちゃんと仕事を認められ、誉め言葉のひとつでももらえれば、

それがまたモチベーションにつながる。

ある意味、給料よりも大きい対価かもしれない。

それでも、プライベートを犠牲にする生き方をするべきだとは思わないけど。

 

でも、今や会社は

「残業の上限を超えないこと」

にばかり目が向いている。

「時間内で仕事を終えれないことは悪」

という風潮は、少なからずどの会社にもあると思う。

 

もちろん、時間内に仕事を終えれることは素晴らしい。

しっかり計画を立てて、計画どおりに遂行して。

理想中の理想だろう。

 

それでも、納期ギリギリの注文が突然来ることだってあるし、

トラブルで立ち行かないことだってある。

そんな時は必然的に残業になってしまうことだってあると思う。

でも、「顧客の役に立った」ことや、「期限内に注文に対応できた」という満足感は、きっと残業代よりはるかに素晴らしいものだと思う。

そして、周りにその事実を褒められれば、やはり次へのモチベーションへと繋がっていくと思う。

 

先輩の頑張りは、正直周り、特に上司に認めてもらえることがない。

だから残業時間が多いことばかりを咎められてしまう。

もう自分は認められないから今のスタイルを変えるつもりもない。

そんな風に意地になっている部分がないとは言い切れないが。


もちろん、見直すべきところはあると思うけど。

それも上司から認められれば自分で改善しようと動いてくれると思うんだけど。

なかなかうまくいかない。

 

長時間労働は、体や心を壊す可能性もある。

そういう意味では残業を減らすことは必要なのだろうけど。

でも、残業時間を減らすことが「目的」になってしまうと、

満足に仕事ができない場合も出てくる。

それに、ただやみくもに「残業時間を減らす」ことを目的にしてしまえば、

昔の私のように、タイムカードを切ってから仕事に

とりかかり、本当の意味での働き方改革にはならない。

 

働き方改革は、本来なら人生を充実させるためのものなんじゃないかな。


今日も先輩は残業をしている。

きっと愚痴をこぼしながら。

早く帰れるといいな。